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「学力」の経済学を読んでみて

最近、知り合いに紹介されて「学力」の経済学という本を読みました。

今回はこれまでの記事とは趣向を変えて、この書籍を簡単にレビューしてみたいと思います。

データ・研究成果に基づく論理展開

著者の中室牧子氏は、教育経済学者の方です。

教育経済学とは、自分なりに「教育に関する政策や取り組みなどを科学的かつ客観的に評価する学問」だと理解しました。

この本では、さまざまなデータ・研究成果に基づき、論じられています。書籍内にも記載がありますが、我々はなぜか教育に関しては専門家ではないにもかかわらず」、根拠のない思い込みなどによって子供の教育を考えてしまいがちです。

「ゲームは子供に悪影響を与える」や「子供をご褒美で釣るのはよくない」と考えている人も多いかと思います。

この書籍では、これらの考え方について、研究成果に基づき客観的に議論されています。どのような議論がなされているかは、ぜひご自身の目で確認してみてください(あまり書籍の内容に言及しすぎると、怒られそうですしね笑)。

研究事例の出典の偏り

この書籍を読んでみて気になったのは、日本の研究事例の少なさです。

書籍の中では、海外の研究事例が多く紹介されています。

書籍内でも言及されていますが、日本では教育に関するデータにごく一部の限られた人物にしかアクセスできず、非常に閉鎖的な環境になっているようです。

そのため、日本での教育はかなり主観的・経験的な側面が大きく、科学的に成されていない印象です。

個人的には、日本と海外とではおそらく文化や遺伝的背景などが異なるため、この書籍の議論がそのまま日本に当てはまるかどうかには疑問が残ります。

最後に

気になる点も記載しましたが、内容としては非常に興味深いものでした。「ご褒美でつる」話など、我が子の教育方針を考える上でも非常に有益な情報が満載でした。

お子さんの教育を考える上では参考になる書籍だと思いますので、ぜひ一度手にとって見てください。

なお、書籍が苦手な方は、マンガ版も出版されているため、活字が苦手な方でも手に取りやすいと思います。

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